辺りが薄暗くなった頃、怪盗バタフライ仮面は、不良達から取り戻した通信簿を持って、

とある高校の屋上で待っていました。

 

すると、部活を終えたばかりの女子高生が、大急ぎで屋上に上がって来ました。

 

少女3

バタフライ仮面さん、お待たせ~。

バタフライ(有)

はい、通信簿。

少女3

ありがとう、取り返してくれたんですね。

バタフライ(有)

こんな大事な物、もう盗られちゃダメよ。

少女3

はい、これからは気をつけます。

そう言うと、女子高生は帰って行きました。

 

一方、部活が終わって帰る準備をしていた女子高生の2人が、この時の様子を見ていたのでした。

 

少女1

見て見て、あの人が噂の怪盗バタフライ仮面よ。

少女2

すご~い、こんなに近くで見たの、初めて~。

少女1

それにしても、スタイル抜群で美人よね~。

少女2

仮面やマント、ロングブーツがカッコいい~。

少女1

でも、仮面の下の素顔を見た人はいないんだって。

少女2

素顔もきっと美人よ。

その時、突風が吹き、バタフライ仮面のスカートがめくれてしまいます。

 

怪盗020

イラスト by りるくてぃ



 

バタフライ(有)

きゃっ!スカートが・・・。

バタフライ仮面は、とっさに左手でスカートを押さえ、右手でシルクハットを押さえます。

 

少女1

見た?今、バタフライ仮面のスカートの中が見えたのよ。

少女2

ええ、私も見たわ。ピンクのひもパンだったわね。

怪盗022



 

少女1

バタフライ仮面って、綺麗なお姉さんといったイメージがあったから、

Tバックのような下着を着けているのかと思っていたわ。

少女2

私も~。お尻も小さくて黒と紫のシマシマかと思っていたわ。

少女1

まさか、下着までマントと同じ柄のバラと水玉とは思わなかった。

少女2

お尻も大きくて、もっちりしていたわね~。

少女1

バタフライ仮面って意外と可愛いのね。

少女2

アハハハハ・・・。

少女1

それにしても、今日は風が強いわね。

少女2

バタフライ仮面もスカートや帽子を押さえて動けなくなっているわ。

あれじゃ~、風船のロープにつかまるのは無理ね。

その時、バタフライ仮面のマスクが飛んでしまいます。

 

怪盗021

イラスト by りるくてぃ



 

バタフライ(無)

あああーっ!仮面がーっ!

少女1

帽子よりマスクを押さえていれば良かったのに・・・。

少女2

何を言っているの。バタフライ仮面の正体を知るチャンスじゃない。

バタフライ仮面は、校舎の窓から女子高生が、こちらを見ている事に気付きます。

 

バタフライ(無)

いけないわ。あの2人に素顔を見られてしまう。

女子高生の1人が、バタフライ仮面に向けて携帯電話のカメラのシャッターを切りました。

 

バタフライ(無)

止めてーっ!写真は撮らないでーっ!

マントで顔を覆うバタフライ仮面。

 

バタフライ(無)

正体を知られる訳にはいかないわ。こうなったら、えーいっ!

風船につかまったバタフライ仮面は、校舎の屋上から離陸し、夜空へと消えて行きます。

 

強風の為、ものすごいスピードで校舎から離れて行った為、

女子高生も数枚しか写真を撮る事が出来ませんでした。

 

少女1

バタフライ仮面の素顔、撮れた?

少女2

一応、撮るのは撮ったんだけど、暗くてよく分かんないや。

少女1

う~ん、確かにこれじゃ~、誰なのか検討もつかないわね。

少女2

でも、マスクが剥がれた瞬間、ちょっとだけ素顔が見えたけど、

美人というより、可愛い感じだったかな?

少女1

私は目が悪いから、イマイチよく見えなくて残念。

少女2

これが昼間だったら、確実に素顔が分かっていたんだけどな~。

こんな時間で残念。

少女1

でも、怪盗と言ったら、夜に現れるのが普通だよね。

少女2

それより、校庭にバタフライ仮面のマスクが落ちているわ。

怪盗023



 

少女1

なかなかオシャレなマスクね~。

宝石がたくさん付いているから高く売れるかな?

少女2

う~ん。でも、やっぱり返した方が・・・。

バタフライ仮面も、このマスクが無いと困るだろうし・・・。

少女1

でも、どうやって返せばいいの?居場所なんて分かる訳無いし・・・。

少女2

バタフライ仮面の事だから、きっとまたこの学校に現れるよ。

少女1

でも、次に現れる時には、新しい仮面を付けているだろうね(笑)。

少女2

それまで仮面を預かる事になるんだから、

預かり賃として素顔を見せてもらわなくっちゃ。エヘヘ・・・。

その頃、バタフライ仮面はロープを握っている方の反対側の手で

顔を隠しながら飛行を続けていました。

 

バタフライ(無)

しっかりと紐を結んでいたのに、

あの程度の風で仮面が外れるとは思っていなかったわ。

カメラに私の素顔が映っていないといいけど、すごく心配・・・。

大丈夫な事も知らず、アジトへと向かう怪盗バタフライ仮面なのでした。