これは、私が初めて怪盗稼業に乗り出した日のお話。

 

夜の10時を過ぎた頃、怪盗の衣装に身を包み、

怪盗バタフライ仮面へと変身した私。

 

怪盗の衣装が似合い過ぎて、ちょっと照れくさい……。

 

バタフライバタフライ

今日は、私が怪盗としてデビューする日。

頑張らなくっちゃ。

私は、アジトから飛び出すと、ビルからビルへと夜空を駆け巡っていました。

 

バタフライバタフライ

私のこの格好、自分で言うのもなんだけど、

最高にキマッているわねっ!

怪盗025

イラスト by りるくてぃ



バタフライバタフライ

満月をバックに夜空を駆ける私のカッコイイ姿、

誰か見てくれているといいな~。

その頃、小学校低学年ぐらいの男の子が、窓から外を眺めていました。

 

小さな男の子小さな男の子

ママ、あのお月さまの真ん中にある黒い影は、な~に?

夜空を駆ける怪盗



ママママ

ウサギじゃないの?

小さな男の子小さな男の子

マントを付けているからウサギなんかじゃないよ。

ママママ

だったら、スーパーマンね。

小さな男の子小さな男の子

スーパーマンだったら飛び跳ねずに空を飛べるよ。

ちょっとママ、こっちに来て一緒に見てよ。

ママママ

もうっ、めんどくさいわねっ!

ママも忙しいの。

そんな事より早く寝なさい。

寝ないなら勉強させるわよっ!

小さな男の子小さな男の子

わ、わかったよ……。

じゃ~、マントを付けているくせに

空も飛べない怪盗という事にしておこう。

その頃、わたくし怪盗バタフライ仮面は、

今夜お邪魔させて頂く予定のお屋敷に無事到着していたのですが、

窓から侵入しようとしたその時!

 

バタフライバタフライ

へッ、ヘックション!

カゼを引いている訳でもないのに不意にクシャミが出て、

顔をしかめながら人差し指で鼻の下をこする事に……。

 

バタフライバタフライ

イヤだぁ~。

誰か私のウワサをしているみた~い。