今宵は新月。
しかし、怪盗にとって真っ暗闇なんて関係ありません。
怪盗バタフライ仮面は、秘宝「ソロモンの指輪」を頂く為に
古代イスラエル博物館へと向かっていました。
しかし、怪盗ヒゲ男爵もこの指輪を狙っており、
バタフライ仮面より一足お先に博物館に潜入し、指輪を探していました。
すると……。

みーつけた。

そ、その声はバタフライ仮面。
後から来たにもかかわらず、バタフライ仮面の方が先に指輪を手に入れ、
いつものように窓から風船で脱出します。

バイバ~イ、今日も私の勝ちだったわね。

おのれっ、またしても。
今日という今日は許さん。
窓の所まで追いかけて来たヒゲ男爵は剣を一閃。
剣先がバタフライ仮面の衣装をかすめると、胸の部分が切れてブラジャーが丸見えになります。
イラスト by ささきりんく様

いや~ん、もうエッチ!
バタフライ仮面は、慌てて胸を押さえます。

何すんのよっ!
いくら悔しいからって剣なんか振り回さなくても。
この服、どうしてくれるのよ。

ピンクに白のバラと水玉か……。
大人っぽいように見えても、まだまだ子供だな。

何よっ、いつも私に負けてばかりいるヘボ怪盗のくせに。

なんだとっ!
そう言いながら、博物館を後にし、アジトへと向かいます。
しかし、ヒゲ男爵が切ったのは、服とマントの紐だけではありませんでした。
仮面の留め紐にも切れ込みが入っていたのでした。
そして、飛び立ってから数分後、仮面が剥がれ落ちてしまいます。
イラスト by ささきりんく様

きゃっ、マスクがっ!
顔を隠そうにも風船のロープで片方の手がふさがっている為、
顔を隠すと胸が見えてしまい、胸を隠そうとすると顔を見られてしまいます。
真っ暗闇とはいえ、バタフライ仮面にとっては大ピンチです。

ヒゲ男爵の奴、許せない。
今度会った時はタダでは済まないから。