とある町のとある所に怪盗になる事を宿命付けられた女子中学生がいました。
彼女の名前は、立花ヒトミ。
明るくて活発な運動神経抜群の女の子。
ちょっぴりオマセだけど、体操部に所属し、先日、行われた大会では優勝、
オリンピック選手になれるとの声もあるほどでした。

このままいけば金メダルなんて取って当たり前~。
しかし、そんな彼女の運命を変える出来事が……。
彼女のおじいさんは、昔、名のある怪盗でした。
鮮やかな手口、軽い身のこなし、奇抜な風貌、どれをとっても一級品で、
大怪盗の殿堂入りを目指していましたが、志半ばにして亡くなってしまいます。
自分の死期を悟ったおじいさんは、子供に夢を託す事を考えますが、
警察官だった為、諦め、孫であるヒトミに託していたのでした。
そして、中学に入ったヒトミは、自分の部屋の押し入れを片付けている時に、
おじいさんの想いが綴られた遺書と自分用に用意された怪盗の衣装を発見します。

これはコスプレ用の衣装じゃない!
おじいちゃんが私にプレゼントなんて嬉しいっ!
ヒトミは、おじいさんが残した怪盗の衣装を着ます。
イラスト by ねもこ様

さ~すが、おじいちゃん。
怪盗なんてカッワイイーッ!
こんなにもすぐに怪盗を受け入れられるのは、やはりDNAのおかげのようです。

泥棒なんてスリリングだけど、なんか楽しそう。
私は未成年だし、猶予期間である今なら大丈夫よっ。
怪盗の血が騒ぎ始めたヒトミ。

え~と、名前は聖なる泥棒という事でセイント・シーフにしよう。
さあ、マスクを着けて怪盗の旅にレッツゴーッ!
イラスト by ねもこ様