「今夜、月夜のルビーを頂きに参ります」
ある悪徳資産家のお屋敷に予告状が届きました。

怪盗バタフライ仮面だと?

何かのイタズラでは?

いや、本当かもしれません。最近、宝石や絵画などが
何者かによって奪われるという事件が多発しています。
それも、黒い噂のある屋敷ばかりが狙われていて、
犯行前には必ず予告状が届いているとか・・・。

盗品である月夜のルビーに万が一の事があっては大変な事になります。警察に通報しましょう。
お屋敷にパトカーが駆けつけ、厳戒態勢が敷かれます。
そして、約束の午後7時。
予告した時刻ピッタリに怪盗バタフライ仮面が現れました。

怪盗バタフライ仮面、参上!
イラスト by ねもこ様

アイツがバタフライ仮面か?
しかし、ロングヘアーにミニスカート・・・。なんだ女ではないか!

むさくるしいオッサンよりも美女の方がいいでしょ?

しかし、お前が美女かどうかは分からん。マスクを取って顔を見せろ。

あ~ら、イヤだ。
あなた達のような下賤の輩に素顔を見せるなんて汚らわしいわ。

なんだと!

そんなに私の正体が知りたいのなら、私を捕まえる事ね。
でも、あなた達に出来るかしら?
そう言うと、バタフライ仮面は月夜のルビーのある部屋へと向かいます。

月夜のルビーの方へ向かっているぞ。アイツを捕まえろーっ!
警察官達の追撃をかわし、月夜のルビーが飾られている部屋へと辿り着くバタフライ仮面。
そして、待機していた警備員にはトランプを投げつけて気絶させます。
月夜のルビーは窓から差し込む月の光を浴びて幻想的に赤く輝いていました。

これが月夜のルビーね。なんて美しい。
ガラスケースの鍵をいとも簡単に開け、月夜のルビーを奪います。
そして、後を追って来た警察官達が次々に部屋へと入って来ますが、
バタフライ仮面は足元の床を蹴って、大ジャンプ。
向かって来た警察官達の頭上を飛び越え、
そのまま警察官達の頭を踏み台にして、2階の廊下へ。

なんという跳躍力だ!

確かに月夜のルビーは頂いたわ。
そして、バタフライ仮面は月夜のルビーについて話し始めます。

この月夜のルビーは、1週間前に都内の有名美術館から盗まれた物。
そして、そこにいる家主は、この月夜のルビーを盗んだ張本人。

何を根拠にそんな事を!
バタフライ仮面は、1枚の紙を2階から放り投げます。
それを拾い上げる警察署長。

こ、これはっ!
それは、警察でも知らない裏の手配書で、
そこには今回の盗難事件の犯人逮捕につながる有力な情報が書かれていました。

取り調べの為、署まで来てもらおうか。

(おのれー、バタフライ仮面め。
月夜のルビーを盗んだだけでなく余計な事まで言いおって)
家主は容疑者として警察署へ連行されて行きます。

月夜のルビーは、私の方から美術館へ返しておくわ。じゃあね~。
バタフライ仮面は風船につかまり、屋敷を後にします。

月夜のルビーは、月の光の下でのみ神秘的に輝く宝石。
今日のような満月の日は特に美しいわ。ウフフ・・・。
その後、家主は逮捕され、月夜のルビーも無事、美術館へと戻り、一件落着となったのでした。