私は怪盗バタフライ仮面。
でも、普段は女性警察官の「めぐみ」として警察署に勤務しているの。
そして、私には同じ警察署内で付き合っている同い年の彼氏がいるの。
名前は、俊介(しゅんすけ)って言うんだけど、私は「トシ」って呼んでる。
付き合って、まだ半年。
最初はラブラブだったけど、最近、怪盗稼業に浮気しているせいか、ちょっと冷めてきたかな?
もちろん、彼は私が怪盗バタフライ仮面である事は知らない。
ていうか、知られたら困る。
バタフライ仮面を絶賛するめぐみ
今日のお仕事は定時で終わり。
アフター5は、彼と一緒にディナーを食べに行く予定なんだ。

今日はここにしようぜ。

わぁ~、素敵な所ね。
二人は、レストランの中へと入って行きます。

めぐみ、昨日、また怪盗が現れたんだって。

怪盗バタフライ仮面でしょ。色気のある女怪盗らしいね。

なんだ、男だと思ったら女なのか?

運動神経抜群で盗みの手口も超一流、ナイスバディで
蝶のように華麗に舞う姿は見る者を魅了するって言うよ。

美人なのか?

バタフライ仮面という名の通り、仮面で顔を隠しているから
素顔を見た者はいないそうだけど、絶対美人に決まってるわよ。

おいおい、褒め過ぎじゃねえか。
それにお前警察官なんだから、怪盗なんて支持しちゃダメだろ。

てへっ。確かに私達からすれば敵となる存在だけど、
気品溢れるその仕草や美しさは女性の憧れよ。
そして、ディナーが終わり、二人は店から出ます。

なぁ、食事も終わった事だし、今日、俺んちに来ね~か?

う~ん、悪いけど、今日も用があるの。ごめんね。
そう言って、めぐみは足早にその場を去ります。

ったく~、最近アイツ付き合い悪いな~。
何してんだろ?他に男でもいるのか?まさかな・・・。
今は何より怪盗稼業を優先
私が怪盗バタフライ仮面になって、まだ1ヶ月も経っていないけど、
盗んだお宝は数知れず・・・。
今のマイブームは怪盗稼業で、彼とのデートより楽しいかも・・・。
さぁ、今日も怪盗バタフライ仮面に変身よ。
今日の予告は夜の9時に悪名高い某お屋敷っと。
指定した時刻に予告通り現れたバタフライ仮面は、
お屋敷の前にたくさんの警察車両や警察官達が集まっているのを見ます。
そして、その中にトシが混じっているのを目撃するのでした。

きゃっ、トシじゃない。仕事、終わったはずじゃ・・・。
そうか、今日の警備は厳重だからトシも緊急で駆り出されたんだわ。

おっ、バタフライ仮面が現れたぞ!屋根の上だ!

でも、私の格好いい姿を見せるチャンスよ。
警官の一人がライトの光でバタフライ仮面を照らし出そうとしますが、
それよりも早くバタフライ仮面は屋敷の中へと侵入します。

中へ入ったぞ。急げーっ!
トシ達も屋敷の中へと入って行きます。
しかし、バタフライ仮面は、厳重な警備の隙間を縫って、見事、お宝の元へと辿り着き、
あっさりとお宝を奪ってしまいます。
イラスト by ねもこ様
そして、風船で飛び立ってしまうのでした。

警部、逃げられました。

くぅ~、なんて速さだ。
今日こそは捕まえてやろうと思っていたのに・・・
トシも認める怪盗バタフライ仮面

トシ、昨日の警備、どうだった?

なんで、知ってんの?

同僚から聞いたわよ。

ああ、怪盗バタフライ仮面、確かに現れたぜ。
実際に見たのは初めてだったけど、噂通りスゲェ奴だったなー。

どんな風に凄かったの?

あの厳重な警備を人間離れした身のこなしでかいくぐり、
最新鋭の防犯システムをやすやすと突破し、
的確にお宝を盗んでいくとは正に怪盗だと思ったぜ。

暗くてもちゃんと見えた?

いや、ハッキリとは見ていない。
けど、月をバックにマントをなびかせ、
宙を舞うシルエットは絵になっていたな。

そうでしょ~。

なんだよ、嬉しそうに。別にお前の事を褒めてるんじゃないぜ。

ウフフ・・・。いいの。
トシがバタフライ仮面の凄さを理解してくれただけで・・・。