怪盗バタフライ仮面の命を狙う「怪盗ヒゲ男爵」。

 

ヒゲ男爵にとってバタフライ仮面は、いつも獲物を横取りされている厄介な相手でした。

 

ある日の夜、バタフライ仮面が、とある大金持ちのお屋敷に宝石を奪いに来る事を

知っていたヒゲ男爵は天井のシャンデリアに細工をします。

 

そして、予告通り現れたバタフライ仮面は、シャンデリアの真下にある

宝石の入ったショーケースの元へとやって来ます。

 

「今だ!」

 

ヒゲ男爵は仕掛けのスイッチを押します。

 

しかし、何も起こりません。

 

「な、なぜだ?なぜ落ちん!」

 

その隙にバタフライ仮面はあっさりと宝石を取り出します。

 

「ううっ、またしても・・・」

 

悔しがるヒゲ男爵。

 

そして、物陰に人がいる事にバタフライ仮面は気付きます。

 

「そこで何をしているの?隠れてないで出て来なさいよ」

 

「久しぶりだな、怪盗バタフライ仮面」

 

「あ、あなたは怪盗ヒゲ男爵!」

 

バタフライ仮面とヒゲ男爵がシャンデリアの下で対峙します。

 

久しぶりの御対面という事で、しばし話をしていると、

時間を置いて仕掛けが作動し、シャンデリアが落ちて来ます。

 

「し、しまった!こんな時に・・・」

 

バタフライ仮面は間一髪身をかわしますが、ヒゲ男爵はシャンデリアの下敷きに・・・。

 

「ぐわあああっ!」

 

そして、その時、地面に落ちた衝撃で飛び散ったガラスの破片の一部が

バタフライ仮面のマスクの留め紐をかすめます。

 

「私を始末しようと思ってたみたいだけど、墓穴を掘ってしまったようね」

 

「くぅぅ~」

 

すると、その時、バタフライ仮面のマスクがハラリと落ち、素顔が露わになってしまいます。

 

「きゃっ!」

 

とっさに両手で顔を覆うバタフライ仮面。

 

「お、お前は!かつて俺を刑務所にブチ込んだ女性警察官。

正義を守る身でありながら裏では怪盗をやっていたとは!」

 

しかし、正体を知ったとはいえ、すぐに息を引き取るヒゲ男爵。

 

「私の正体が世間に知れる事は無いとしても、初めて素顔を見られてしまったわ」

 

誰にも見られた事の無いマスクの下の素顔を見られた屈辱で、

その場にガックリと膝をつく怪盗バタフライ仮面なのでした。

 

怪盗015

イラスト by りるくてぃ



 

怪盗014

イラスト by ねもこ