その日、怪盗バタフライ仮面は、「盗人の館」に降り立ちました。

 

狙いは、50カラットの「ブルー・ダイヤモンド」です。

 

「呪いの宝石」という異名を持つこの宝石は、

古代の女王の怨念が込められており、

その持ち主を必ず不幸にするという曰く付きの物でした。

 

バタフライ6

呪いの宝石だかなんだか知らないけど、私には関係無いわ、ウフフ。

不遜な笑顔で、バタフライ仮面は館内の仕掛けを次々と突破していきます。

 

バタフライ6

こんな金庫なんて、私にかかったら・・・、こうよ。

最後の金庫も難無く破り、バタフライ仮面はブルー・ダイヤモンドに手を伸ばしました。

 

バタフライ6

すごく綺麗!とても怨念が宿っているとは思えないわ。

トロンとした表情でダイヤを見つめ、バタフライ仮面は、

すっかりダイヤの虜になってしまいました。

 

しかし、霊探知器で霊のオーラを測定する事は忘れません。

 

バタフライ6

恐ろしいほど霊のオーラが放たれている。

こんな物、絶対にヒゲ男爵に渡す訳にはいかないわ。

そして、この宝石は不幸になる事を避ける為に捨てられた物なので、

持ち主に返す必要はありません。

 

また、この館にいるのは盗人ばかりなので、

この者達から物を盗る事には何の抵抗もありません。

 

そう思ったバタフライ仮面は、

このブルー・ダイヤモンドを自分の物にしようと考えます。

 

しかし、そうこうしているうちに盗人達が走って来る音が聞こえます。

 

バタフライ6

いけない、早く逃げなきゃ!

「ハッ」としたバタフライ仮面は急いで出口に向かいますが、走っている途中で、

「パキッ」と音を立ててブーツのヒールが折れてしまいました。

 

バタフライ6

えーっ!?信じられないっ!

早くも呪いがバタフライ仮面を襲います。

 

すると、どこからともなく一足のロングブーツがバタフライ仮面の元に飛んで来ました。

 

バタフライ6

こ、これは、ヒゲ男爵一味が履いているロングブーツ・・・。

そっか!ヒゲ男爵が、この前の借りを返す為に投げてくれたんだわ。

この前の借りのお話はコチラ

 

驚きながらも、バタフライ仮面はブーツを履き替えます。

 

バタフライ6

(でも、このブーツ、男性用だから大きい。

それにちょっと臭い・・・。でも、そんな事言ってられないわ)

バタフライ仮面は、そのブーツを履いて逃げます。

 

そして、出口まで来ますが、走りにくい事もあって、盗人に追いつかれ、

風船で逃げようとしますが、脚をつかまれてしまいます。

 

バタフライ6

その手を離しなさい。このブーツは大きいのよ。

手下4

ブルーダイヤを返せ。

バタフライ6

編み上げじゃないのよ。脱げるじゃない。

しかし、盗人は両手を離そうとはせず、館から離陸してしまいます。

 

そして、バタフライ仮面がもがくと、ブーツが「スポッ」と脱げてしまいました。

 

手下4

わぁーーーーーっ!

盗人は下にある池へと落ちていきます。

 

バタフライ6

あ~あ、だから言ったのに・・・。

しょうがないわ。片足ブーツで帰ろう。

しかし、悲劇はこれだけにとどまりませんでした。

 

なんと、不運にも鳥が風船を突いてしまったのです。

 

バタフライ6

キャーッ!

風船は割れてしまい、バタフライ仮面は地上へ真っ逆さま。

 

木に引っ掛かったお陰で大ケガはしませんでしたが、体中擦り傷だらけです。

 

バタフライ6

もぉーっ!最悪っ!

そして、その様子をヒゲ男爵と手下が見ていました。

 

ヒゲ男爵もブルーダイヤを狙って、盗人の館に来ていたのでした。

 

手下1

今ならバタフライ仮面からブルーダイヤを奪えます。

ヒゲ男爵

いや、もういい。あの宝石を持っていると、

バタフライ仮面ですら、あのような事になるんだ。

借りも返した事だし、行こう。

ヒラリとマントをひるがえして、ヒゲ男爵が歩き出します。

 

手下1

ところで、私のブーツは・・・。

ヒゲ男爵

隠れ家まで我慢しろ。

手下はガックリと肩を落として、片足ブーツのまま、

ヒゲ男爵の後を追うのでした。